ビバ・マツケン! 東雲の大阪てんこもり紀行
 (2001年5月19日〜20日・1泊2日)
新幹線ビジネスきっぷ(使用済)

【新幹線ビジネスきっぷ】

 東京都区内〜大阪市内、普通車指定席用は25枚組で 304,000円。1枚あたり12,160円だが、市中の金券ショップでは11,850〜12,000円程度でバラ売りされている。2,350円の「のぞみ変更券」を買えば〔のぞみ〕にも乗れるし、東京〜岡山など他の区間設定もある。今回はネットオークションで、12,000円×2枚+送料330円=24,330円で落札したので、単価は12,165円。まぁそれでもまともに普通の乗車券・新幹線特急券で往復する(13,750円×2)よりは3,000円以上も割安である。

 座席指定といえば、一般的には駅や旅行会社へ出向いて希望の列車を告げて、代金と引き換えに指定券を受け取るのだが、「新幹線ビジネスきっぷ」の場合は乗車日の7日前から当日までに、駅の窓口か新幹線自動券売機へ「ビジネスきっぷ」を差し出し、列車・席番を明記した券と引き換える。代金や引換手数料は不要だが、特急料金が割高な〔のぞみ〕を選ぶ時は、同時に「のぞみ変更券」を購入するのである。

 大阪へ向かう日。新歌舞伎座の開演は正午、そして電話予約したチケットの引換期限は11:30である。新歌舞伎座があるなんばへは、新大阪から地下鉄で15分だから、7時台の〔ひかり〕や8時前後の〔のぞみ〕に乗れば間に合う。しかしそれではあわただしいので、地元・鴻巣を5:28に発車する上り初電に乗って、上野着6:15。山手線へ乗り継いで、東京駅についたのは6:30である。ところが、やはり土曜の朝、中央コンコースのカフェテリア「サンディーヌEXPRESS」は、朝食を取ったり弁当を買ったりする人々でごった返している。早々に指定席を押さえようと、乗換改札付近へ来てみれば、早朝で2つしか開いていない有人窓口には長蛇の列。それとは対照的に、10台近く設けられた新幹線自動券売機には誰も並んでいない。窓口も券売機も売られるきっぷは同じなのに、指定券は対面販売で、という古くからの慣習に従う人々が多い。これが平日なら、券売機を利用するビジネス客が多いのだろうが。

 タッチパネル式の新幹線自動券売機の前に立ち、「回数券の引換え」を選ぶ。手持ちの「新幹線ビジネスきっぷ」を入れると、“もう1枚指定を取るなら……”というメッセージ。2〜3人でもまとめて座席指定を取ってくれるようだが、当方は一人旅なので次へ進む。指定券の区間(東京→新大阪)を確認すると、発車時刻の早い順に列車候補が6本くらい表示される。1時間後まで満席の〔ひかり〕に挟まれて、追加料金2,350円が必要な〔のぞみ〕が2本だけOKとなっている。7:00発の〔のぞみ41号〕新大阪行を選び、喫煙/禁煙、窓側/通路側の希望を選んで、追加料金を投入すると、券面に列車名・席番が印字された「ビジネスきっぷ」と「のぞみ変更券」とおつりが出てきた。……以上、要した時間はせいぜい1分程度。候補列車を最初から複数提示してくれるし、お釣を間違わないし、言葉遣いや接客態度の当たりはずれもない。インターネットショッピングを経験したことがある方なら、まず戸惑うことはないだろう。

 今のところ東海道・山陽新幹線で最も新しい「700系」車両に乗り込み、海側のA席に座る。3人がけの2人目は空席のままで、通路側のC席に背広姿の男性が座っている。車内改札が始まると、C席の人も「新幹線ビジネスきっぷ」を手にしている。ところが、彼は座席指定を受けずに〔のぞみ〕へ乗って座ってしまったのである。これが〔ひかり〕なら、大人しく自由席車両へ移ってもらえばよいのだが、ご存知のとおり〔のぞみ〕は全席指定で、「ビジネスきっぷ」には「のぞみ変更券」が必要なのは前述のとおり。さらに車内で変更できないことは券面にもはっきり書いてあるのだが、彼は「どうしてもこの列車に乗らなければ間に合わないのに、窓口は長蛇の列だった」と繰り返し主張し、有人窓口の混雑へ責任転嫁を試みる。たまたま検札に来たのが年配の車掌長だったので、不用意に例外を認めて他の乗客との公平性を崩さないよう、しかし客を怒らせぬようごく穏やかに客の話を受け止めている。新幹線自動券売機で回数券を指定券へ引換えできる旨は、他のポスターよりも大きな文字で掲出されており、混雑緩和に向けてJR東海が今一番に売り出しているのだが、ここで「券売機も使えますんで、今度からは……」などと言ってしまっては、彼が「今さらそんなこと言うなよ」と逆ギレしかねない。車掌長は最後まで券売機のことを口に出さず、一度改札を通した「ビジネスきっぷ」の不使用証明を発行し、下車駅で正規運賃・料金を精算するよう伝えて、この場を後にした。彼は手持ちの雑誌をめくったり、居眠りしたりしながら、途中で降りていった。

 そんなやり取りを、私は片耳で聞きながら、もう片耳は手持ちのポケットラジオのイヤホンを装着していた。FM電波を用いてJ-POPや洋楽、クラシックなどを車内に“放送”しており、その中の79.6MHzでNHKラジオ第一の7時のニュースを聴いていたのであった。

 ちなみに、話は前後するが、帰りの東京行に乗るべく新大阪へ着いたのは18:45頃。日曜の夕方で、〔ひかり〕の指定席はやはり相次いで満席。〔のぞみ〕へ変更しようにも、18:51・18:54の次は19:51・19:54で1時間近く待たされる。そこで、19:04発〔ひかり258号〕の指定席は当然満席なので、自由席に座ることに成功。新大阪発車時点でほぼ満席で、京都・名古屋から乗る人々には申し訳ないが、これが自由席というもんである。これが2人連れだったら、発車間際に2人分都合よく空席があるなんてことは望めず、前日までに列車を決めて指定席を押さえておくべきである。




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