| 東雲のGW北紀行・十勝後志縦横無尽 (2002年5月3日〜6日・3泊4日) |
上士幌市街を通り抜けて国道241号線に合流。またまっすぐで平坦な道を快走すれば、南隣の士幌市街まではほんの10分強。ここでまた国道からそれて、[士幌駅跡](←写真左)を訪ねる。ここは駅舎やホーム、駅構内のレールまで当時そのままの状態で保存されており、貨車と車掌車まで置いてある。廃止後に変化したと思われるのは、貨車の保存のために線路の上へ屋根をかけたことと線路敷の砂利がないこと、ホームの上や駅正面が芝生っぽくなっていることくらい。
さすがに駅舎の中には入れないが、建物にいたずらされている様子もなく、手入れが行き届いている。駅舎のわきに、士幌駅の駅名標だけでなく、南隣の中士幌駅の駅名標も並んで立っているのは、観光客向けのサービスなのか。保存することは悪いことではないが、わざわざ並べて立てることもなかろう。誰も中士幌駅の駅名標を、士幌駅(跡)に求めないと思うのだが。……とか何とか言いながら、珍しいので記念撮影(写真右→)。
また車に乗り込み、南を目指す。国道241号線への合流点は、昨日「いちごソフト」を堪能した道の駅「ピア21しほろ」の前。士幌駅跡からちょいと歩ける距離で、逆に言えば道の駅に車を止めて、士幌駅跡まで散歩できるという位置関係である。
国道236号線を南下すると、愛国・大正・幸福の順に並んでいるのだが、手前の愛国ではなく、あえて[大正駅跡]からつぶしていく。駅跡地は「大正ふれあい広場」という公園になっており、ミニ植物園やバーベキューハウスなんぞもある。 写真右→ の看板越しに見える公衆トイレは、旧大正駅駅舎を模して作られたという、微妙な力の入れようである。小学校の校庭のような“広場”の片隅に、屋根とベンチが乗っかったプラットホームがあるが、側面は石積みではなく枕木で押さえてあり、どうやら鉄路をはがした跡に枕木を集めて、新たにホームっぽいものをつくったようである。地元は、どういう考えで大正駅跡を整備したのだろうか。とりあえず、夏休みのラジオ体操や地域のお祭りの会場は、間違いなくこの「大正ふれあい広場」であろう。とすると、プラットホームっぽく作ったものは、実はステージなのだろうか。……ステージにしては、ホームの真ん中の屋根つきベンチが邪魔である。
まず、舗装された駐車場がある(←写真左)。よほどがめつい人間なら駐車料を数百円でも徴収するだろうが、それほど観光客が多いわけでもなく、無料。奥のほうには、観光バス用の大型駐車場もある。駐車場の中に細長くレンガを敷いた部分があるのは、どうやら線路敷の跡を表しているらしい。
大正の町を通り抜けてしばらく走れば、また国道に立っている案内標識にしたがって脇道へ入ると、[旧・愛国駅]。かつては「愛の国から幸福へ」というキャッチフレーズで、愛国駅も幸福駅とセットになっていたはずだが、いざ来てみれば、ひっそり閑としている。駅前の駐車スペースには車が4〜5台くらい止まっており、今まで見てきたほかの駅跡に比べれば充分多いのだが。
赤い屋根の駅舎はアルミサッシの窓が取り付けられ、駅員が配置されていたことをうかがわせる。駅舎は「帯広市交通記念館」として活用されており、駅員の制服や様々な道具、乗車券・標識類がショーウィンドーの中で展示されている。駅舎をくぐり抜けると、目の前のホームに9600型蒸気機関車(←写真左)が止まっている。屋根がかかっていないが、黒光りする車体も銘板も、現役時代とあまり変わらない姿をとどめている。上下線の交換駅だったらしく、駅構内は幅広く取ってあるが、反対側のホームは撤去されて線路だけになっている。そのまた向こうは、帯広市街から比較的近いこともあって、駅跡の敷地に接して新しい住宅が建ち並んでいる。
そういえば、足掛け2日にわたって十勝地方をウロウロしたが、士幌でも糠平でも幸福駅でもおみやげを買っていない。極端な話として、札幌のデパートや新千歳空港でも十勝みやげを入手できるのだが、やはりそれでは面白くない。新得駅前ではおみやげを期待できないので、実質的に十勝地方最後の訪問地であるここ[トムラ登山学校レイクイン]で品定めをする。ロビーの一角、フロントの隣りに、おみやげをディスプレイしたワゴンが数台並んでいる。お菓子や山菜加工品、アクセサリーや小物、ラベンダーを用いた雑貨に“地域限定ハローキティ”なんぞが居並ぶ中、フロントから一番遠いところに陳列されていた文具コーナーを発見。そこに並んでいたのが、なんと“とかプーの学習帳シリーズ「のびのびとかち自由帳」”と“ほっかいどうのこども学習ノート「北海道白い自由帳」”。シリーズと言いながら、その売場には自由帳しかなかったのだが、帯広市内の文房具店へ行けば、きっと“漢字練習帳”などもあるにちがいない。黄色い自由帳の型番は『L−4』なので、とかプー学習帳シリーズは少なくともあと3種存在するはずだ。さらに、とかプーとモモの「らくがきちょう」(B5判)もあった。こうなってくると、鉛筆・消しゴム・ペンケース・下敷きから学習机・自転車・ソーセージ・ふりかけに至るまで、「とかプー&モモ」で固めてしまいたくなる、という親御さんは道内に何人いるのだろう。
T君はこの後、日勝山地を越えて苫小牧あたりに泊まるらしい。……それなら苫小牧か千歳あたりまで便乗すればよかった、と思ったが後の祭り。手持ちの指定席特急券はもう変更できない《※8》のだった。《※8》手持ちの指定席特急券はもう変更できない……JRの指定券は、その列車の発車時刻前ならば、1回だけ手数料なしで変更できる。同じ路線でなくてもOKで、もちろん過不足額は清算する。しかし私の場合はすでに1回変更済(初めは1本早い特急の、帯広→札幌だった)で、しかもクレジットカードで買ったから他社窓口では変更不可。
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