| 東雲のGW北紀行・十勝後志縦横無尽 (2002年5月3日〜6日・3泊4日) |
カーナビの地図とにらめっこしながら、[上士幌町交通公園]へ。ここがかつての上士幌駅だったようで、すぐそばのバス停は「上士幌」と駅名のようであるが、町の中心部にはこれとは別に「上士幌待合所」というバス停もある。バス会社の出張所もあるらしく、もっと大きな町なら「上士幌ターミナル」と名付けられるだろう。
舌鼓を打っている間、T君は眼下の雲海を望みながら一服吹かしていた。また車に乗り込み――T君はもちろん助手席へ――、山道を下り始めた。そういえば、せっかく牧場に来たのに、牛や馬をまだ見ていない。特に助手席の人が、牛や馬の群れをカメラに納めたがっているので、後続車の邪魔をしないよう……と言っても全然追いついて来ないのだが、ゆっくり走っていると、ようやく牛の群れを発見。非常駐車帯のように道路から張り出しているところへ車を止めると、そのそばにドラム缶を縦に割ったようなエサ箱があり、牛の群れがそこへ寄って来る。私もカメラを向けるが、T君は有刺鉄線の柵のすぐそばまで迫って、しきりにシャッターを切っている。柵には何やら黄色い札が下がっており、有刺鉄線に電流を流してあるという。これで爆薬も仕込んであったら大仁田厚だなぁ、などと珍妙な連想をしているうちに、ようやく柵際から駆け戻ってきたT君はつい有刺鉄線に触ってしまい、その電撃を体感したらしい。
フロントで入浴料を支払い、浴場へ向かう途中のゲームコーナーの一角に、小さなショーケースが。壁には、日高晤郎氏の色紙が額に入って数枚、そしてショーケースの中は日高氏のディナーショーのパンフレット等と一緒に、「日高晤郎ショー圧倒的シェア/聴取率8%!」という見出しのSTVラジオ営業資料が陳列されている。首都圏の聴取率調査《※7》では、局の数が多いこともあるけど、トップ番組で3〜4%というのが相場だが、民放4局にNHKもある北海道で8%という数字をたたき出すのはすごい。この、イチローが嫌いで、“YOSAKOIソーラン祭り”を真っ向から批判するおじさんの人となりについては、軍司貞則・著『ラジオパーソナリティ〜22人のカリスマ〜』(1998年 扶桑社)を図書館で借りて読んでみていただきたい。《※6》STVラジオ……ラジオなのに「STV」とはこれ如何に? ……実は、STV=札幌テレビ放送は、日本の民間放送事業者で唯一、テレビが先に・ラジオが後に開局した放送局なのである。テレビは日本テレビ系列、ラジオは文化放送やニッポン放送などのNRN系列。ちなみに、日本テレビの深夜「秘密の爆笑大問題」はSTV制作の全国ネット番組。また、FMラジオの音楽番組などでパーソナリティを務め、TBSテレビ「王様のブランチ」音楽コーナーで顔出しもしていた船守さちこは、元STVアナウンサー。
《※7》首都圏の聴取率調査……東京駅から35km圏内に住む12〜69歳の3000人に、日記形式で(何時から何時までどの番組を聴いたか)記入。テレビのような機械を用いないのは、ラジカセやコンポ、名刺サイズからカーラジオに至るまで、受信機がまちまちで調査用の機械を統一できないから。首都圏では年6回、4・6・8月は各2週間、10・12・2月は各1週間、各調査月の中旬から下旬にかけて実施。北海道は年2回で、最近では2002年5月27日(月)からの1週間調査が行われたらしい。
| 【5/4】その2・駅跡めぐり | |