月刊コラム page 22.

 新世紀元年! (今さら)2001年10大ニュース

 彩の国コラムとしては2回目の新年であります。昨春は秩父三社(秩父神社・宝登山神社・三峰神社)への初詣をネタにした(第16回)ので、今年もどこかへうろうろ出かけて、いっそ初詣ネタをシリーズ化しようとも思ったのですが、年1回の恒例にするほど当コラムが続くかどうか不安なので、年明け早々ではありますが、埼玉県内の2001年10大ニュースを組んでみます。
……とはいえ、毎年12月30日の埼玉新聞にも県内10大ニュースが見開きで載っているので、ネタはかち合ってしまうのですが、埼玉新聞Web版には載っていないし、過去記事検索もできないし。そこで、当コラムで取り上げたものも、そうでないものも、硬軟取り混ぜつつ、あくまで埼玉県内発にこだわった、独断と偏見による10大ニュースを選んでみます。


1 さいたま市誕生・上尾市は合併拒否
 浦和・与野・大宮の3市が合併し、5月1日「さいたま市」に。誕生時点で人口は103万人。2003年春に政令指定都市へ移行すべく、区割りなど目下準備の真っ最中。行政改革の一環として政府・総務省が市町村合併を推し進める中、北九州市以来の大規模合併と言われる「さいたま市」の例は全国の注目を集めている。
 一方、北隣の上尾市は、さいたま市への合併・編入の是非を問う条例に基づく住民投票を、全国で初めて実施。編入のメリットが少ないとして、反対票が僅差で賛成票を上回り、上尾市はさいたま市との合併を見送った。また伊奈町も、さいたま市と市町域を接していないため、編入されても飛び地になってメリットが少ないとの見込みから、政令市へ加わらないことを決めた。

2 秩父の9遺跡 全て「ねつ造」
 東北旧石器文化研究所の藤村新一副理事長が、上高森遺跡(宮城)等で石器発掘をでっち上げたことが2000年11月に発覚。これを受けて県教育委員会では、小鹿坂・長尾根など秩父市内の9遺跡の真偽を確かめるため検討委員会を設置。のちに藤村氏は、自身が関与した秩父9遺跡を含む1道6県40遺跡のねつ造を認め、検討委員会も他県に先がけて「全てねつ造」という調査結果を発表した。
 2000年夏から「秩父原人まつり」が開かれ、「秩父原人」というお酒も好評を博すなど、「原人」を観光の柱にしようと動き始めたばかりの秩父地域にも、ショックと戸惑いが拡がった。

3 埼玉スタジアム2002オープン
 今さら、言うことはありません。当コラム第21回を参照されたし。

 ……そういえば、今年はFIFAワールドカップが、さいたまで開催されるんですね。ほんとに。

4 BSE(狂牛病)国内3頭目さいたま市で発見/妻沼町で捨て牛
 11月末、さいたま市内で屠畜された群馬県産の牛がBSE(狂牛病)に感染していることが判明。国内では3頭目となった。
 また12月下旬には妻沼町で、乳牛3頭がうろついているのを発見、保護された。牛乳が出なくなった“乳廃牛”で、鑑札が人為的に取り外された跡があることから、狂牛病騒ぎのせいで食肉用に出せなくなった牛を捨ててしまったとの見方が強まっている。

5 埼玉高速鉄道 開業
 3月28日、埼玉県内では初めての地下鉄とされる埼玉高速鉄道(略称SR)」赤羽岩淵〜浦和美園(14.6km)が開業。鳩ヶ谷市内に鉄路をもたらし、埼玉スタジアム2002へのメインアクセスとしての重責を負っているが、路線バスよりも高い運賃などがネックとなって、利用客数は当初の見込みを割り込んで伸び悩んでいる。ちなみに、浦和美園から岩槻を経て蓮田まで延伸されることが決まっている。
 また、地下鉄トンネルには導水管が併設されており、赤羽岩淵付近から荒川の水を汲み上げて、15年連続水質ワースト1の綾瀬川など4河川の上流に流し込んで水質浄化を図るという、鉄道と河川が一体となった全国初のプロジェクトが進行中。12月には試験通水が行われ、2002年秋の本格稼動を目指す。
(当コラム第17回を参照)

6 長瀞町長自殺 …収賄疑惑で任意同行求められ
 下水道工事発注にからむ収賄の疑惑がかけられていた 長瀞町の松本貞夫町長が、6月16日朝に自宅で県警の捜査員から任意同行を求められたが、着替えるからと捜査員を待たせている間に寝室で手首を切って自殺。

7 啓朋学園 入所者虐待・寄付金強要が明るみに
鴻巣市の知的障害者更生施設「啓朋学園」で、職員が入所者へ日常的に虐待を加えたり、入所者の保護者に一律450万円の寄付金を強要したり、架空の職員への賃金を計上したり、という不祥事が次々と明らかになった。(5月11日 埼玉新聞)

8 あさひ銀行・大和銀行 統合へ
東海・三和(UFJ)との経営統合から離脱したあさひ銀行は、大和銀行と提携することを2001年9月に発表。大和・奈良・近畿大阪の3行を束ねる持ち株会社「大和銀ホールディングス」に、あさひ銀行も2002年3月1日から合流し、経営統合を目指す。

9 ボートピア岡部 開設
戸田競艇の場外舟券売場「ボートピア岡部」が12月13日、岡部町四拾坂下交差点(国道17号と深谷バイパスの合流)前に開設。当然、地元では反対運動もありましたが、……それよりも岡部町って、戸田よりも桐生競艇の方が近いじゃないの。熊谷・本庄からバスも出てるくらいなのに。

10 湘南新宿ライン運行開始
(高崎線・宇都宮線)〜大宮〜新宿〜横浜〜(東海道線・横須賀線)というルートで直通運転する“湘南新宿ライン”が、12月1日から運行開始。と言っても、従来の池袋発着の列車をそのまま横浜方面へ伸ばしただけなので、池袋以北では増発になっていない。肝心の朝夕ラッシュ時の運行が少ないのが玉に傷。大宮以北から新宿・渋谷・横浜へ乗り換えなしで行けるという点は、一般客に対してインパクトが大きいが、JR東日本の本社としては「新宿〜横浜 乗換えなし!毎時3本、最短29分」をより大きくアピール。高崎線・宇都宮線から車両を捻出するついでに直通運転するという“副産物”の恩恵にあずかっているのだが、埼玉方面からの乗客の大半は新宿で下車している。東海道線・横須賀線は東京発着が毎時1本ずつ減らされており、神奈川方面ではむしろ不満の声も上がっているとか。

 ……10位の項目なのに、つい1位よりも長めに書いてしまいました。

  〜〜 もうすぐベストテン 〜〜  
11 川里町も町制施行
2001年5月1日、さいたま市と同じ日に北埼玉郡川里村も、町制施行。
……村と町とはどう違うのか、よく知らないんですが。近いうちに川里町もコラムで取り上げます。
12 マイカル経営破綻
 ごく最近も埼玉県内に、大宮市・熊谷市・大井町など、シネマコンプレックスを併設した郊外型「サティ」を相次いでオープンさせていたが、不況のあおりで経営悪化、自力再建を断念。
 また、埼玉県内では八潮・三郷を経由して、秋葉原とつくば市を結ぶ“つくばエクスプレス”を運営する第3セクター首都圏新都市鉄道が、マイカルの社債110億円分を保有しており、全額回収が難しくなったことも明らかに。(でも自社サイトには、どこにも書いてない)
13 おがしんを引き継いで「新生さいしん」始動
1999年に経営破綻した小川信用金庫(おがしん)の受け皿として、埼玉縣信用金庫(さいしん)が1年がかりで準備を重ね、2001年1月9日から大部分の店舗がさいしんとして生まれ変わった。……埼玉県ローカルと言うよりも、県北ローカルな話題ですが。
14 川越高水泳部がモデル「ウォーター・ボーイズ」公開
 廃部寸前の男子校水泳部を救う最後の手段として、男子のシンクロナイズドスイミングに挑戦する、といういまどき珍しい青春スポ根(?)映画が話題に。
 でも本家・川越高校(←もちろん男子校)水泳部は、廃部どころか県大会常連の名門。毎年9月の文化祭で男子シンクロが名物になり、“水泳部=シンクロ部”と思い込む人もいるとか。でも「競泳があくまでも本業で、シンクロは本気の遊びです」と主将談。
(2001年9月18日・毎日新聞「ひと」欄)
15 さいたまんぞう20周年
歌謡曲調なのに全くこぶしを回さない『なぜか埼玉』がスマッシュヒット。その後も司会・レポーター・バンドボーイ・野球の審判などで地道な活動を続け、2001年12月に「20周年を祝う会」と題して記念ライブを開催。「さいたま市誕生記念」と勝手に位置付けて11月にリリースした全曲集CDのタイトルが『生存証明』。岡山県出身で東京都在住。


 ちなみに、平成13(2001)年12月30日(日)埼玉新聞に掲載された「2001年埼玉県内10大ニュース」は、以下のとおりです。
1さいたま市誕生
2埼玉スタジアム完成
3国内で狂牛病確認
4米国同時テロ
5不況続く
6あさひ、大和銀統合
7児童虐待
8参院選
9O157検査ミス賠償
10秩父市内の遺跡ねつ造確定



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