マルチメディア入門(11)第4グループ
早稲田通り《その7》
“主要地方道25号線”の終点!?
保谷駅を過ぎて、住宅地の中のただの道にしか見えない主要地方道25号線は、いわゆる“道なり”とはかけ離れたルートをたどっている。手元の地図は50,000分の1の縮尺で、細かい道まで網羅されていない。100m毎に設けられているはずのキロポストが頼りである。カメラを片手に、うつむきながら住宅地の中をうろうろ歩く自分の姿は、どれくらい挙動不審なのだろう。自宅の近所でないことが救いである。そんな葛藤に包まれながら、下保谷2丁目郵便局のそばで、めでたく20.0kmの水色の銘板を見つけた。

工事区間をくぐり抜け、20.6kmポストも確認した。次の曲がり角を左へ進むといよいよ終点らしい。ところが、ただでさえ狭い道幅がさらに狭くなり、軽自動車同士でもすれ違えないようになってしまった。いくらなんでもこれは違うだろうと思ったが、ふと見上げた街路灯には、東京都のマークである緑色のイチョウのステッカーが貼ってある【←写真左】。都が設置する街路灯は、その道が都道かそれ以上のランクの道であることを表わしている。自分がたどった道が正しいことが証明されてうれしい反面、道の“格”とその実態のギャップに面食らいながら、セブンイレブンがある交差点に到達した。地図上では、ここが主要地方道25号線の終点となっているが、突き当たりではなく十字路であり、道なりにもう少し進んでみることにする。
しかし、10分くらい歩いてみても、街路灯に緑色のイチョウのステッカーは見つからない。今度は街路灯を見上げながらうろうろ歩いている。ますます挙動不審になっているのではないか、などと考える余裕はない。どうやらさっきのセブンイレブンの交差点が、本当に主要地方道25号線の終点【写真右→】だったらしい。20km/h制限の標識が、主要地方道としてはあまりに悲しすぎると思うのは、私だけだろうか。
……おしまい。