| 早大鉄研“怒涛の95年組”第1回同窓会旅行 その3 (2001年2月24日(土)〜25日(日)・1泊2日) |
8:00 前夜の宴会場だった大広間に、他の宿泊客も一堂に集まっての朝食。しかし、外湯で朝湯した3名とギリギリに起きてきた若干名しか朝食のお膳についていない。ホテルによくあるバイキング形式や朝食券方式なら、朝に弱い人がいても無駄は少ないのだが、今回はまともな旅館の朝食だから一人ずつお膳が用意され、しかも第一陣の数名だけ座った時点で、仲居さんは全員分のお鍋に手際よく点火してしまった(朝からお鍋か? と面食らっていたら、湯豆腐だった)。我々としては、明け方まで飲み倒す連中がいるのは毎度のことで、朝食どころかチェックアウト直前まで寝ている状況もさほど驚かずに受け止めてしまうのだが、やはり一般的には“まとも”とは言えない状況である。仲居さんは部屋へ何べんも電話をかけたり、わざわざ1階の大広間から3階の部屋まで上がって様子を見に行ったりして、やたら気をもんでいる。その熱意に負けて、一人・また一人、おや幹事のN君もようやく起きたのね、と続々さえない顔で大広間に入って来たが、とうとう2名が朝食を断念した。仲居さんとしては全員が朝食に揃わないことに少なからず落胆(失望)しているようだったが、我々は13分の11という高確率で朝食を取っていることの方に驚いている。ちなみに私の隣で食べたT君(バス会社勤務)は、私が朝食で3杯おかわりしたことを一番驚いていたらしい。
9:30 チェックアウト。宿の送迎バスは朝9時に出てしまったので、あとは路線バスを待つことになる。湯田中からの長電は10:22発(特急 長野行)で、みんなは志賀高原の蓮池から下りてくる9:48発のバスに乗るが、10:03頃にすぐ近くの上林温泉から来るバスでも間に合うようなので、それまで小松屋旅館直営のみやげ物店でお土産を買い込むことに。……ふとお店の片隅を見ると、NHKがテレビドラマのロケをご当地で行った、と張り紙がしてある。その放送日は3月3日、なんと今度の土曜である。「歌恋温泉へようこそ」とかいうタイトルで、おそらく渋温泉の名は劇中には出ないのだろうが、なんとなく気になりながら店を離れる。朝からの雪はまだ降り続いており、自宅から持っているビニール傘をさして、バス停へ向かう。
長野駅行き急行バスを見送り、ここからまた一人旅である。飯山線上り列車の発車時刻まで40分以上あり、今日こそ昼食にそばを食おうと思い立つ。曲がりなりにも市と名乗る飯山の駅前で、そば屋の一軒くらいないはずがないと固く信じて、駅を背に通りを歩き始めたのだが、……見当たらない。歩道の雪についた足跡は2人か3人分で、ブーツではなくスニーカーを履く私は「エライ決心をしてしまったものだ」と早くも後悔し始めながら、黙々と雪を踏みしめる。駅前から2つ目の交差点を左折すると、賑やかとはいえないが商店街の真ん中。鉄道に並行した道筋はおそらくナントカ街道のわき道であろう、と一層の期待を抱いて歩いていくが、ラーメン屋はあっても日本そばの店はない。中央分離帯がある道へ左折すると、パブやスナックが集中する区域を横切るが、寿司屋はあってもそば屋がない。そろそろ線路にぶつかるかと思われるあたりで道も突き当たり、みたび左折すると、聞いたこともないスーパーマーケットの脇へ出た。郊外型のショッピングセンターなら食堂やレストランの二つや三つはざらにあるが、市街地のスーパーである割りにたこ焼きの屋台もない。ないない尽くしに絶望感を募らせながらふと前方を見やれば、さっき歩き始めた駅前通りに行き着いてしまう。もはやこれまでかと白旗を揚げかけた瞬間、ようやく「そば処 源」を発見した。時刻にして12:27。雪の中を歩きどおしだったが、不思議にもかけそばや天ぷらそばを食べたいとは思わず、「地粉三彩そば」とかいうようなメニューを注文(1,150円/品名はうろ覚え)。一人前のそばを3つの小椀に盛り、一つはとろろがかかり、一つは山菜が載り、もう一つは海老としめじの天ぷらが添えられた。歯ごたえも香りも悪くなく、しめくくりのそば湯まで美味しくいただいた。腹を満たして店を出てみれば、飯山駅まではせいぜい徒歩3分だった。バス待合室がある駅前交差点よりも手前で左に入ったところにあり、そば屋探しをバス乗り場から遠くへ向かって始めたのが誤算だった。
13:01 2両編成の長野行きディーゼルカーが発車。飯山で乗り込む人は結構多く、スキー帰りの人と長野へ出かける地元の人が半々か。車内のボックスシートは片側が4人がけ、もう片方は2人がけとなっており、中央の通路が広く取られている。ローカル線は朝夕の通学ラッシュが結構激しく、学生諸君はドアのそばから車両中央部へなかなか入らないので、こういう通路が広い構造はそれなりの効果を上げているようである。| 【国旅主義・目次】へ | |
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