週刊彩の国コラム page 08.
隠れた逸品!埼玉の特産品と「そぴあ」
いまさらこんなヒマネタなんて、とお思いでしょうが、ちょうど1週間前(6月4日)の朝日新聞埼玉版で取り上げられたので、せっかくだからやらせていただきます。
埼玉みやげというと、まずは草加せんべいですかねぇ。西日本でせんべいといえば“瓦せんべい”に代表される、クッキー・サブレのような形態であるのに対し、東日本では、まさに草加せんべいのような“塩せんべい”が主流となっているのです。もっとも、昨今の流通の発達に伴い、西日本のスーパーやコンビニでも塩せんべいが(特に新潟方面のK田製菓などから)広まっているので、あまり珍しがられることはないでしょうけれど。
越谷市のJR南越谷駅前のお菓子屋さんで、つい最近まで「越谷名物・草加せんべい」というのぼりを出して売っていたらしいのですが、私が見に行ったときは「越谷名物」の文字が消えていました。
本コラム第5回「新しいさいたま自慢」でもとりあげた狭山茶は、「色は静岡 香りは宇治よ 味は狭山でとどめさす」とうたわれているくらいで、入間市・狭山市・所沢市を中心に栽培されています。ちょっと前に、狭山茶にダイオキシンが入ったの入らないのと騒ぎになったことがありましたが(たとえ入っていても、ダイオキシンは水にほとんど溶けないので心配には及ばないのだそうですが)、ご近所の所沢のほうれん草を映しながらダイオキシン問題を報道して誤解を呼び起こしたくせに開き直った「ニュースステーション」の久米宏氏は、埼玉県立浦和高校の出身です。ついでに、小宮のエッちゃんは県立川越女子高校の出身です。
このほか、川越のさつまいも、秩父のきのこ・こんにゃく、深谷のねぎなどは作付け農家が1軒や2軒ではないので、地味ながらも特産品として生きつづけるでしょうが、一方の“伝統工芸品”は、やはり後継者不足という悩みを抱えているようです。毎年ゴールデンウィークに利根川の河川敷でジャンボ鯉のぼりをクレーン車で吊り上げて泳がせる“こいのぼりとうどんの町”加須市では、手描き鯉のぼりの業者が最盛期には約40軒あったものの、現在ではたった1軒になってしまいました。また、わが地元・鴻巣のひな人形も、胴は鴻巣でこしらえているものの、頭は岩槻市や愛知県常滑から、道具は静岡県から等、パーツごとの分産化が進み、「このままだと、人形一体まるごと作れる職人はいなくなるのでは」と危惧する声もあるそうです。
そんな埼玉の特産品・名物を、大宮駅西口のソニックシティの地下でまとめて扱っているのが、優良県産品販売センター「そぴあ」なのであります。埼玉県物産振興協会が運営するこのお店には、県内各地の特産物が約900アイテム販売されています。なぜ「そぴあ」っていうのか、ということも含めて、日曜の夕方にいそいそと出かけてみましたら、なんと営業時間は「月曜〜金曜(祝祭日は除く)・9:30〜17:30」。大半の勤め人は、ここで買い物をすることがかなわず、薄暗いショーウィンドウに所狭しと並ぶ品々をじっと見つめるしかないのであります。県物産振興協会なる団体がどれだけお役所に依存しているのかは知りませんが、観光産業が土休日に店を開かないというのは、いかがなものでしょうか。
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