週刊コラム page 03.
ついに決定!「さいたま市」
 ……浦和・大宮・与野


 4月17日、浦和・大宮・与野の3市合併推進協議会の第2・第3小委員会が開かれ、合併後の新市名は『さいたま市』とすることで合意が成立し、2001年5月1日の合併に向けて法定の合併協議会が29日に発足しました。以前より「合併後も『大宮市』」を強硬に押し出していた大宮側が、新市役所を「将来はさいたま新都心周辺地域に設けることを検討する」との合意が受け入れられたことで市名を譲歩したのです。

 マスコミの全国ニュースで取り上げられているのは、面積も人口もほぼ同じの、文教都市:浦和と商業都市:大宮のつばぜり合いです。私が見聞きした印象では、当事者の3市は以下のような感じです。  合併推進協議会の第2小委員会(新市名称の検討)では、浦和・与野が推す『さいたま市』と、大宮が推す『大宮市』が最後まで対立していましたが、第3小委員会(新市役所の位置について)で大宮側が市名を譲歩する条件として「将来の市役所の位置は新都心直近」を主張、その結果「新都心周辺地域が望ましいとの意見を踏まえ」合併後なるべく早く検討を始めるという合意事項が出来上がったのです。

 4月18日の埼玉新聞社会面では、“「さいたま市」決めたものの…/「市民不在」の声も”という記事が出ています。『市民の反応』では、特に3市の皆さんにとって「埼玉県さいたま市」がよほど気に入らないようです。浦和市の女子高生は、開口一番「響きがよくないよね。ダサイタマが一層強調されるっていう感じ」とおっしゃっていますが、まさか平成の女子高生の口から“ダサイタマ”という語彙が飛び出し、しかもそれをコンプレックスとして背負っているとは思いませんでした。

それほどまでに「さいたま」の名に負い目を感じるのなら、
とっとと世田谷区か目黒区へ転出していくのがよろしい

かと思います。また、「どうして住所にサイタマが重なるの」「サイタマが重なって語呂が悪い」という声が複数載っております。きっと彼らは旅先で「東京の方から来ました」とは言っても「埼玉から」とは決して言わないのでしょう。しかし、(東京と北海道を除く)45府県のうち27の府県庁所在地で市名と府県名が同じ(ほかに栃木市・山梨市・沖縄市もあり)という現実にどう言い訳するつもりなのでしょう。そんな方々を群馬県群馬郡群馬町や岩手県岩手郡岩手町にお連れして、リアクションを見てみたいものです。

 一方、『埼玉県名発祥の地』である行田市も、「行田と周辺自治体が将来合併するときのために『さいたま市』をとっておいてほしかった」のだそうで、残念とのコメントを出しています。でも行田市にある大字埼玉は「さきたま」と読み、また鉄剣が出土した稲荷山古墳などを含む「さきたま風土記の丘公園」というのもあるのですから、こちらは『さきたま市』にすればよいと思うのですけど。

 ……いずれにせよ、新市名が別のものになったとしても、「語呂が悪い」「ださい」などと言う人は減らないのですから、早く慣れるより他にないと思うのですが。



朝日新聞の記事 埼玉の片田舎政府観光局 ……比企郡鳩山町

 4月23日朝日新聞(朝刊)第2社会面に、「我が家が政府観光局」という記事が写真入りで載りました。(写真右⇒)
 バングラデシュ人の夫を持つ埼玉県鳩山町今宿の会社役員 高山和枝さん(53)の自宅が、在日バングラデシュ政府観光局に指定された。スタッフは「観光局長」の高山さん一人。「貧しく洪水のある国」というバングラデシュのイメージを変える助けになりたい、と宣伝役を買ってでた。……
 高山さんは25年前に初めてバングラデシュを訪れ、『人は多いが時間がゆったり流れ、相手に合わせる余裕がある国』と感じて気に入り、その2年後にバングラデシュからの留学生だったアルシャド=ウッラさん(49)と結婚。その後もたびたび行き来しながら、『もっとバングラデシュの知られざる魅力を伝えたい』と地元紙や雑誌にコラムを書くなど、地道な活動が功を奏し、バングラデシュ政府観光公社から「政府観光局」の指定を受けることになりました。

 バングラデシュというと、日の丸の白地を緑に塗り替えた国旗と、低地ばかりで雨季は洪水が絶えない、というイメージを持っているのですが、日本からバングラデシュへ出かける人々は、年間5千人足らずとのこと。旅行へ出かけるにしても、情報収集のために在日バングラデシュ大使館では英語しか通じないので、ここを案内されるのだそうです。

 私事で恐縮ながら、以前にボーイスカウトの社会見学で、欧州の某国の在日大使館へ行ったとき、質問に答えて頂くときに大使は(日本語でも母国語でもなく)英語を話していたことを思い出しました。日本に駐在するからといって、日本語に堪能である必要はないのかなぁ、と思ったりして。

 まぁ、ボランティアでもこういう活動があるのはありがたいことであります。ただ、鳩山町には鉄道が通っていないので、ここまで行くのが少々不便かもしれません。東武東上線:坂戸駅から鳩山町役場方面への路線バスで「今宿」バス停が最寄りのようです。


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