週刊コラム page 01.
 街開き直前! さいたま新都心駅をうろつく


 2000年4月1日に開業しました「さいたま新都心」駅は、大宮駅の南方1.1kmのところにあります。天井の高い橋上駅で、自動改札機はJR東日本で普及しているものとは異なる、改札機の上に身長センサーがない形のものです。きっぷの排出口にはカラー液晶画面があり、有効期限が迫っている定期券を入れたときには注意を促す画面表示が出るなど、ずいぶんと多機能になっています。

 ここの駅名は、決定前に大宮市民の一部が「新駅名は『南大宮』で!」と騒いでいたのですが、大宮側はこの他にも「京浜東北線を『京浜大宮線』に!」とか「3市(与野・大宮・浦和)合併後の新市名は『大宮市』に!」とか、さらに「今後、上尾市・伊奈町の吸収合併も想定されるので、新しい市役所は大宮に置こう!」などと必要以上にアピールしています。中でも『京浜大宮線』の命名理由は、埼玉新聞によれば「東武野田線と京浜東北線の相互乗入れ計画が実現すると、大宮行きの表示を出した電車が走らなくなり、知名度が落ちるから」なのだそうです。新幹線停車駅である「大宮」駅が改称されないうちは、こんなにギャーギャー騒がなくてもよいのではと思うのですが。


 駅の東側には、旧中山道が並行しており、さいたま新都心の開発に伴って道も舗装しなおされました(←写真左:さいたま新都心駅 東口から旧中山道を北へ望む)。正面奥には、さいたまスーパーアリーナと東側を結ぶアーチ橋(取材時点で建設中)が見えます。写真右側のイトーヨーカドーなどがある一角は「カタクラパーク」というショッピングモールで、新都心開発が始まる前からここにありました。先見の明があったのか、運がよかったのか、それともここ(旧・大宮操車場)が新都心になることを知っていたのか。


 左の写真から視点を後方(南)に200mほど下げると、旧中山道の傍らに小さなほこらがあり、2体の石像がまつってあります。ここは北袋町と吉敷町(いずれも大宮市)の境にあたる高沼(鴻沼/こうぬま)用水の高台(たかだい)橋で、左は火の玉不動、右はお女郎地蔵が立っています。中仙道の東側が暗渠になっていて、橋の欄干がないので、注意していなければ見過ごしてしまう“橋”ですが、電車からはチラッと用水路が見えます。道が拡幅され、真新しいビルが建っても、このほこらはきっとこの地に残され、新都心を見守りつづけることでしょう。……ってゆーか、撤去されたら大宮市の文化レベルを疑うぞ。

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